日米中 2014 3 1

 いまだに、アメリカ政府が、
安倍首相の靖国参拝に対して、
「失望」を示す声明を出したことに対する余波が続いています。
 本来であれば、アメリカ政府は、
安倍首相が靖国神社を参拝したことに対して、
「しめしめ」と思うのが正しいでしょう。
 なぜかと言えば、アメリカ政府としては、
日本が親中・反米国家になってしまうことを
絶対に避けなればならないからです。
 日本の2000年の歴史を振り返れば、
親中国家であったことが何度かありました。
 最近でも、日本の民主党政権は、
実質的に親中・反米に近いものがありました。
鳩山首相の引退後の行動が、それを象徴しています。
 むしろ、アメリカにとって、
日本が中国と対立していた方が好都合です。
 そうなれば、日本に対して、
大量にアメリカ製兵器を売り込むことができます。
その結果、軍事産業は、大きな雇用を生むことができるでしょう。
 にもかかわらず、「失望」という結果になったのは、
そもそも、オバマ大統領は軍隊が嫌いという事情があります。
(下記の「謝罪外交 2013 8 18」を参照)
 米軍基地を視察する時に、
オバマ大統領が居心地の悪そうな表情を浮かべていたので、
軍関係者の「困ったものだ」という嘆きを本で読んだことがあります。
 その延長線上で、軍隊が嫌いならば、軍事産業も嫌いというわけで、
オバマ政権としては、自然と「失望」という形にならざるを得ないと思います。
基本的に、リベラルな人は、軍隊も嫌いならば、軍事産業も嫌いでしょう。
(しかし、今のアメリカで一番雇用を生み出すのは、軍事産業でしょう)
 本当は、日中対立をあおって、
日本に大量にアメリカ製兵器を売りつけた方が、
アメリカ国内の雇用にとっては、望ましいでしょう。
 軍事予算の削減で窮地に陥った軍事産業にとっては、
それが、救済策となるでしょう。
 もちろん、オバマ大統領が雇用に無関心というわけではありません。
オバマ大統領としては、オバマケアという社会主義的な政策によって、
雇用を確保すると考えています。
 さて、最近は、一部の評論家は、
「アメリカは、中国に弱みを握られてしまった。
だから、アメリカは、中国に対して弱腰にならざるを得ない」と言っています。
 その弱みが何であるかは、言いづらいことなので書きませんが、
一般的には知られていないことです。

謝罪外交 2013 8 18

書名 いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ
著者 古森 義久  幻冬舎新書

「謝罪外交を繰り返すオバマ政権」
 これは、この本では、43ページから始まる、
「オバマの謝罪外交」というところを読めば、
そう思いたくなるでしょう。
 確かに、ここに掲載された一連の演説を読めば、
共和党が、オバマ氏の演説を、
「謝罪外交」とか「謝罪の旅」(外国訪問)と非難する理由があります。
 著者によれば、オバマ氏は、
アメリカの従来の「あり方」には、
むしろ批判をぶつけることが多いという。
 アメリカの超大国としての実績でさえも、
あえてミスや欠陥を指摘して、
事実上の謝罪をするという傾向がちらつくのだと指摘します。
 これは、よく言えば、「謙虚である」と言えるでしょうが、
悪く言えば、「自虐的」と言えるでしょう。
 謝罪外交といえば、日本政府の「お家芸」でしたが、
時には、オバマ氏の方が、それを上回り、
日本人としては、びっくりでしょう。
 もしかすると、日本人は怒るかもしれません。
「日本の『お家芸』をオバマ氏に奪われてしまった」と。
これを「生きがい」している日本の政治家もいるからです。
 もう少し、この本から引用しましょう。
「軍事力を忌避し、軍事力の効用を認めたがらないオバマ大統領」
 オバマ大統領は、そもそも軍事力が嫌いだ。
アメリカの国政レベルでは、そんな認識がよく語られる。
これは、保守派だけからの評価ではない。
与党の民主党側にも浸透した認識だと言える。
(引用、以上)
 多くの日本人は、
「なんだか、オバマ氏という政治家がわからなくなった」と思ったでしょう。
 オバマ氏は、リベラルと言われる民主党の中でも、
「最も左寄り」と言われることがあります。
 つまり、日本の政治家でたとえれば、
社会党の党首がアメリカ大統領をやっているようなものです。
 そう言えば、今は、社会党という政党はありませんから、
オバマ氏は、社民党の党首に近いと言えば、よくわかるでしょう。
 だから、オバマ大統領と安倍首相は、馬が合わないと言えます。
安倍首相は、保守政党と言われる自民党の中でも、右派と言われています。
 片方の政治姿勢が社民党の党首に近く、もう片方が保守政党の右派では、
首脳会談は、どうやっても、うまく行くはずがありません。
 それにしても、アメリカが、このような状態では、
独裁者や強権政府の指導者は、
当分、「枕を高くして眠れる」と言えるでしょう。
 多くの独裁者や強権政府の指導者は、今でも、
「アメリカの影に怯えて、夜も眠れない」という状態かもしれませんが、
それは、「かつてのアメリカ」に怯えているからでしょう。
しかし、「今のアメリカ」を知れば、独裁者たちは、熟睡できます。
 要するに、独裁者たちは、勉強不足です。
自国の独裁体制を維持にするのに忙しくて、
国際情勢を勉強していないということでしょう。






































































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